個人事業主が交通事故の被害者になったら?慰謝料や休業損害について知ろう!

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交通事故に遭った人が個人事業主の場合、働けない一定期間の損害はどうなってしまうのでしょうか。加害者側に賠償金を請求する場合、「休業損害」をもらうのが一般的です。そこで、休業損害がもらえる条件や該当するケース・計算方法などを解説します。

また、休業期間の考え方や廃業してしまった時の慰謝料についてもご紹介しますので、参考にしてください。

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損害には3種類ある!

交通事故が起きた際、「積極損害」「消極損害」「精神的損害」の3つが発生します。積極損害とは、治療費や入院費・交通費などです。消極損害は、交通事故が原因で失われた利益を補償するもので、休業損害などがあります。

精神的損害は慰謝料のことです。個人事業主が交通事故に遭った場合、これらの3つを合計した賠償金が受け取れます。その中でも、休業損害は重要になるでしょう。自分だけで経営している場合は、本来得られるはずだった利益がなくなってしまうため、経営を悪化させるだけでなく、廃業のリスクもあります。

よって、治療費なども重要ですが、休業損害を重要視するといいでしょう。

休業損害が受けられる条件とは?

休業損害が該当するのは、「交通事故の前に仕事をしていた人」になります。会社員や公務員・個人事業主だけでなく、アルバイトやパートで働いている人も対象です。専業主婦も家事が経済的対価を持っているとみなされ、休業損害の対象になる場合もあります。

ただし、交通事故以前に無職で無収入だった場合は当てはまりません。また、株式配当や不動産収入で暮らしている人も対象外なので、注意が必要です。さらに、無職だった人が交通事故後に仕事を始めても、休業損害の請求はできません。

休業損害は人身事故で、被害者が怪我をした時に適用されます。怪我をしたかが評価対象なので、後遺障害が残った場合だけでなく、残らなかった場合も対象です。物損事故の場合は、休業損害は発生しません。例えば、個人事業主が交通事故に遭い、体は問題なく、車やバイクが被害に遭った時には対象外ということです。

車やバイクの修理をするために休んだとしても、休業損害はもらえないので注意しましょう。ただし、仕事に使う車やバイクが壊れた時には、休業損害ではなく、休車損害が請求できます。また、被害者側が亡くなった場合、休業損害はもらえません。

しかし、亡くなるまでに治療で仕事を休んだ時には、その分のみ請求可能です。

休業損害の計算方法とは?

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休業損害を計算する時には「自賠責基準」「弁護士基準」の2種類があります。自賠責基準は保険会社が計算する時の基準です。最低限の補償になる可能性があり、支払われる金額も少なくなります。計算方法は「1日当たりの基礎収入×休業日数」です。

一般的に基礎収入は5,700円で計算することになっています。ただし、明らかに基礎収入が5,700円を超える時には、証明書を提出すれば訂正可能です。その場合、1日19,000円を限度として、引き上げられます。

自賠責基準は被害者の年齢や職種などの属性は考慮されず、一律であることが特徴です。弁護士基準は示談交渉や裁判所が認定する時に採用する計算基準です。今までの事例や研究で作られた基準で、法的根拠も持っています。

一般的に賠償額は自賠責基準よりも高くなる傾向があるため、状況によっては弁護士基準で計算するといいでしょう。計算方法は「1日当たりの基礎収入×休業日数」で自賠責基準と同じですが、基礎収入の限度額がなく、実収入で計算できます。

個人事業主の休業損害を計算する時は、前年度の青色申告決算書の収益から計算することが多いです。収益とは、売上金の合計から原価や人件費・諸経費を差し引いた金額を指します。個人事業主の場合、固定経費を休業損害の対象にすることが可能です。

休業していても継続的に支払う必要があるものとして、人件費や光熱費・家賃などがあります。つまり、個人事業主の基礎収入は、「(収益+固定経費)÷365日」で計算する場合もあるのです。また、状況によっては外注に頼む費用、休業におけるお知らせや再開に関する広告代も含められます。

休業損害における休業期間の考え方とは?

会社員の場合、「休業損害証明書」を作成するため、休業期間が明確になります。しかし、個人事業主が自宅で仕事をしている場合は、休業期間がはっきりしない時もあるでしょう。個人事業主の休業期間は、自分達で立証しなくてはなりません。

まず、入院している期間は明確な休業期間です。しかし、通院している期間は、認められない可能性があります。例えば、通院はしても仕事はできているとみなされてしまうと、休業期間にならないのです。もし、通院によって1日中仕事を休んだ時には、通院時間や状況などを記載した書類で証明するといいでしょう。

ただし、仕事をしたと判断された場合は、減額される可能性があります。自宅療養の場合は、医師の診断書が重要です。療養が必要だと判断されていて、実際に休んでいる場合は休業損害の対象になります。よって、医師の診断書では、自宅療養の期間を明確に記載してもらうといいでしょう。

治り具合で変わる場合もありますが、期間がはっきりとしていれば、休業した証明になります。また、自己判断で休んだ時は休業損害の対象にならない可能性があるため、注意が必要です。

交通事故が原因で廃業した場合はどうする?

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個人事業主が交通事故の被害者になり、それがきっかけで廃業する場合があります。利益が少なくなって廃業する場合もありますが、怪我が原因のケースも多いです。自分の技術を商売にしていた際、スキルや知識が使えなくなって廃業する可能性があります。

その際には、加害者に対して損害賠償や慰謝料を請求することが可能です。また、廃業で出た損失分も、賠償金として請求できます。請求額の計算では、事業用資産を売った金額を減額して算出するのが一般的です。さらに、示談が進まない場合は、裁判で争うこともあります。

その時には、廃業に関する損失分などを明確にしておくと有利でしょう。

個人事業主が交通事故に遭った時は、しっかりと休業損害と慰謝料を請求しよう!

個人事業主は交通事故で仕事ができなかった期間の補償が重要です。通院や入院費以外にも休業損害や慰謝料がもらえるため、しっかりと調べてから請求しましょう。

請求額の計算には自賠責基準と弁護士基準があり、状況によって選択するのが望ましいです。また、休業期間や廃業時の請求も知っていることで、適切な補償が受けられます。

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